子宮頸がん検診|自治体クーポン活用で2年に一度の子宮頸がんの二次予防

子宮頸がん検診|自治体クーポン活用で2年に一度の子宮頸がんの二次予防

子宮頸がん検診は、公的な支援もあり、子宮頸がんの検診は安く行うことができますが、日本では先進国の中でも受診率は伸び悩んでいるようです。一次予防と言われる生活習慣の改善は難しく、簡単に一日で済ませられるのは検診に行くことしかありません。

がんの予防は検診による二次予防が主体となっていますが、公的な資金援助があり各自治体を中心に検診が行われています。住民の検診受診率が高く、検診法が優れていることが重要と言われていますが、がん検診では過剰診断も最近では問題視されています。見つかっても大きくならない、また放置しても自然に消滅するがんもあるのです。

日本で一番多いのは、乳がん。韓国では検診ブーム

日本を含む先進国で最も多いのが乳がんと言われていますが、韓国では甲状腺がんが女性では最も多く、がん対策が進み、受診率がこの15年で上昇し、6割近くの女性が受診しています。これが一種の検診ブームとも言われるようですが、ただ受診率が上がり、結果として発見数が増えたとしても死亡数は変わっていません。

がんで命を落とさないためには、生活習慣とがん検診の二段構えがとても重要です。記事を書く私自身も家族のがんや病気と向き合う中で様々な書籍を見るようになり、自身の健康管理にも影響を受けました。知識があることでリスクを減らす低い行動を意識し、まずは予防でできることから始めるきっかけになればと思います。

 

性行動の多様化、性交渉がなければ感染しないウイルス

子宮頸がんの病原体と言われるヒトパピローマウイルス(HPV)。感染型のがんを引き起こす病原体です。HPV感染は性交渉によるもので、性交渉自体が低年齢化したことで20代から急増、30代の発症がピークといわれます。性交渉の経験がない人はまず感染しないウイルスで、さらに子宮頸がんもこのウイルスに感染しないと子宮頸がんは発症しません。ただ、このウイルスに感染しても90%以上は2年以内に自然排泄され、子宮頸がんには進展しません。

子宮頸がんがHPVによって発症することがわかっているので、一次予防としては性教育や若い世代にも伝えていく必要があり、予防に務める必要があるのです。性教育の問題については様々なところで議論されていますが、文部科学省のカリキュラムでは中高生に性感染症とその予防を教えることになっていますが、内容には子宮頸がんは含まれていません。外部講師を派遣し、学校独自に講習を行う地域もありますが、まだまだ画期的な取り組みであって、各家庭や個人が収集する情報の質によって行動が影響していると考えています。

ウイルスにはいろんな型があるので、ワクチンで全ての感染を予防できるわけでもないのですが、感染リスクを減らすことができます。

日本でも子宮頸がんの予防ワクチンの無料化が2013年からは定期接種が始まりましたが、2013年6月には副反応に対する報告があったことで厚生省も積極的な推奨を中止し、今に至ります。HPVが原因のがんは子宮頸がん以外にもあり、中咽頭がんも原因として考えられています。オーラルセックスによるHPV感染の増加とも因果関係があるともいわれており、オーラルセックスの若年化はごく普通の行為とも言える今の時代ですが、実は発がん性HPVの感染リスクは女性だけではなく、男性で高いといわれるので、性差を問わず理解を深める必要があります。オーラルセックス以上の関係のパートナーの数が多いほど、リスクは高まるということです。

※現在は子宮頸がん予防ワクチンから、HPVワクチンに名称が変わっています。

 

がん検診の高い地域の例|宇多度津町

香川県の宇多度津町では、がんの教育を始めた2013年から町民のがん検診の受診率が急上昇しています。がん教育前の乳がん受診率が2012年が22.3%であったのに対して、翌年2013年には43.1%となっており、子宮頸がんの検診率は30.7%から49.8%に増加しています。

公的な支援があったとしても受診率が上がっておらず、啓蒙やがんの教育が受診率に影響していることがこの宇多度津町の例を見ても明らかです。

2年に一度の子宮頸がん検診

厚生省は2年に一度の検診を推奨しています。検診はブラシで子宮の入口部分の表面の細胞を軽く擦ってとる、非常に簡単な検診と言われています。自治体が全額または一部の費用を負担し、安価で検査できるのですが、受診率は極めて低いと言われます。私自身もがん経験者の呼びかけがきっかけで受診したことはなく、比較的遅い年齢で最初の受診をしました。26歳の時です。

厚生省の2019年の国民生活基礎調査によると、20歳代の子宮頸がん検診受診率はわずか26.5%だそうです。

米国の受診率は2013年のデータでは、84.5%もの受診率があり、ワクチンの受診率も高い米国では子宮頸がんの死亡数は激変しています。

これからできること

今からできることは、まずは検診に行くことです。重要性の高いことですが、一次予防としては生活習慣の改善やそして性感染から生じる感染であることを認識し、パートナーとの付き合い方を考えること、若い世代やお子様がいる親御さんから予防法を伝えていく必要があります。

子宮頸がんは感染症由来であることから、HPVワクチンが最も重要な予防法になります。日本では積極的なワクチン接種を2022年から厚生省が復活し、ワクチン接種者が増えることも期待されています。

子宮頸がん検診の受診の意義を考え、受診を積極的に行うことが自分自身を大切にすることだと思います。

 

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